
以下の文章は2004年10月に行われたニューヨーク映画祭での『サラバンド』の世界初公開プレミア上映の後で行われた質疑応答の中のインタビュー・セッションを採録したものです。エンターテインメント・ウィークリー誌の映画評論家リサ・シュワルツバウムがリヴ・ウルマンをインタビューしました。
リサ・シュワルツバウム(以下リサ): 今日の上映までの経緯から始めたいと思います。このセッションの最初にも少しふれましたけど、今日はもう少しでこの映画を上映できなかったかもしれなかった訳です。ベルイマン監督が、彼が望む方法で上映されなければ駄目だ、とおっしゃったからなんですけれど、そこのところの経緯をお話してくださいますか。
リヴ・ウルマン(以下リヴ): それには面白いいきさつがあったんですよ。ベルイマン監督はもう86歳になりますが、彼は白黒撮影にそれまでにない表現を与えた最初の映画作家の一人でした。その後彼はカラーの映画制作に移行して、色彩も今までにないやり方で活用しました。それからデジタル技術が到来すると、彼は突然「ほとんど20年ぶりに映画を撮るんだ。デジタルでやるぞ」と言ったのです。でも彼はデジタルのことを完全に理解しているわけではありませんでした。知っているべきことをすべて知っているわけではなかったのです。ベルイマン監督は、デジタル撮影をして、編集が終わったら高解像度の複製を作り、フィルムに焼こう、と考えていました。ところが実際にフィルムに焼いた段階で彼は「これは駄目だ。これじゃテレビにしか耐えられない。このフィルムの画質は受け入れられないよ」と言ったんです。
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