
でも、完全に理解していなくても演じる私には何かが理解できたし、何かを感じることができた。それはベルイマン監督が私に説明したからではなくて、彼が私に脚本から理解する猶予を与えてくれたからです。そして彼は、彼自身を役者たちに包み隠さず見せてくれたからです。永年彼が書いたキャラクターを演じていると、私は「イングマール・ベルイマンを演じているのだ」と思います。彼は女性を主人公にした脚本を沢山書きましたからね。その多くを私は演じましたが、皆、彼自身の人格の一部が宿っているのです。もし主人公が女性でなかったら、マックス・フォン・シドーが演じるわけです。『ある結婚の風景』以外のほとんどの映画の女性は、イングマール自身の人格をもとに書かれたキャラクターだと思います。
(観客):『サラバンド』の撮影終了のときのことをお話していただけますか?
リサ:今の質問は、もしかしたらベルイマン監督最後の作品になるかもしれない『サラバンド』の撮影が終了するとき、何か特別な感情が感じられたか、ということですね。
リヴ:確かに、奇妙な感じがしました。ベルイマン監督は長いこと監督として映画を撮っていませんでしたし、私も『サラバンド』が最後の映画になると思います。ラストシーンの独白の部分を撮影したときのことです。デジタル撮影では監督はカメラのすぐ傍に座らないんですね。以前彼が私を演出するときは、彼はいつもカメラの隣で役者を見ていたんです。
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