
母親は娘に触れて、こう言いましたよね「私は、今始めて本当に娘に触れたような気がする」と。そのシーンを演じながら、私は「なるほど、娘に触れているのね」と考えていたわけです。でも今は、もしかしたらマリアンは娘に触れていただけでなくて、クリエイターであるイングマール・ベルイマン本人の心に触れていたのかもしれない、と思うのです。『サラバンド』を観た人の多くは「救われない映画だ」と言います。ベルイマン監督が繰り返し扱ってきた<絶望>というテーマを描いているのだ、と。でも、もしかしたらそれだけではなくて、イングマールは彼自身の心に触れてもらいたい、と思っていたのかもしれません。だからこの映画は<希望>をほのめかして終わるのです。彼はこの映画を通じて「理解し合おう」と手を差し伸べているのです。そして「始めて人の心に触れた」という感触を共有しようとしているのではないでしょうか。これは『仮面/ペルソナ』のときは起こりえなかったことですね。でも『サラバンド』では、そのような表現になったのです。何の話をしているか、よくわかってもらえないかもしれませんね…。(喝采)
リサ:ベルイマン監督は、今日の上映が受けたかどうか気になさっておられるかしら。観客の反応を何とか調べようとなさっていると伺ったのですが。
リヴ:彼は天才ですから、人がどう思おうと気にはしません(笑)。というのは冗談で、明日私は彼に電話して、観客の皆さんがとてもよく反応してくださったことを伝えます。この映画祭が、とても素晴らしい対応をしてくださったことも。
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