
すごくよく出来たシーンになったんですよ。だから私はテープをイングマールに送ったんです。楽しい冗談だと思ったし、もしかしたら彼がコメディのアイディアでも思いつくかもしれない、と思って。でも、彼には冗談は通じなかったみたいね(笑)。
彼はコメディは書かなかったけど「実はヨハンとマリアンの30年後の話を書いてるんだよ」と言ったのです。ベルイマン監督は恐らく、観客に馴染のあるキャラクターを使って映画を作りたかったのでしょうね。でも、そのキャラクターたちの話の続きとか、顛末ではなくて、<老い>とか<憎しみ>とか<愛>についての話を作りたかったのでしょう。老いることについての映画を。そのために彼はヨハンとマリアンを使いましたが、できあがったのは<ヨハンとマリアンの話>ではありません。マリアンは傍観的観察者ですよね、ギリシャ悲劇のコーラスみたいに後ろで見ているんです。ヨハンと彼の息子ヘンリック、そしてヘンリックと彼の娘の間に起こるドラマを、一縷の希望をこめて…。
リサ:マリアンを演じてどうでした? 30年前と今の<コネクション>を感じましたか?
リヴ:あまり感じませんでしたね。もちろん私はマリアンというキャラクターを演じなおしたのですが、30年前にマリアンが持っていたものを30年後のマリアンは持っていませんでしたね。昔のマリアンはまだ成長しようとあがいている女性でしたから。30年前私が演じたマリアンは、傍観者にはなれなかったでしょう。強引に割りこんで、自分でことを左右しようとしたはずです。でも『サラバンド』のマリアンは、そうしません。今のマリアンは何か、あきらめてしまっているようなところがありますね。30年前には考えられなかったような言動を、今のマリアンはとるわけです。
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