
それはとても勇気のいる判断だったのですよ。なぜなら『サラバンド』は劇場公開用の映画としてすでに(配給権などが)売られていましたから、ベルイマン監督はそのお金を返さなければならなかったのです。このデジタルという新技術で『サラバンド』は制作されました。フィルムではないのです。今日はフィルム映写機でなく、デジタル・プロジェクターで上映されたのです。この上映形態はデジタル映画を制作する多くの若いフィルムメイカー達に希望を与えるのではないかしら。何しろフィルムに焼くのはとてもお金がかかるから。今後ニューヨーク映画祭では、デジタルで撮られた映画はデジタル・プロジェクターで上映できる、ということですね。その方が美しく鮮明な画像が楽しめますから。イングマール・ベルイマンも、それだからデジタル上映を望んだのです。(喝采)
リサ:監督は『ある結婚の風景』の世界に立ち返る、という決断をしましたが、それは長いこと彼が温めていたアイディアですか。どうしてその決断をするに至ったのか。そしてあなたはどのようにこの企画に絡んだのか、お話いただけますか。
リヴ:そうですね…。私がベルイマン監督の脚本で『不実の愛、かくも燃え』という映画を監督していたときのことです。エルランド・ヨセフソンもその作品に出演していて、私たちは撮影の合い間によく“30年後のヨハンとマリアンヌ”を演じて遊んでいました。それは内容的にはコメディで、誰かがふざけてビデオカメラを回して撮影したりもしました。その中でヨハンになりきったエルランドは昔のことは皆忘れてしまっているのです。そこでマリアンの私は言うんです「ベルイマン監督と仕事したでしょう、覚えてないの?」すると彼は(エルランド・ヨセフソンの真似で)「え? 誰だって?」
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